Reggieの勝手に豆知識|【ジーンズの歴史】破れたデニムはいつからおしゃれになった?ダメージジーンズ誕生の裏側

Reggieの勝手に豆知識|【ジーンズの歴史】破れたデニムはいつからおしゃれになった?ダメージジーンズ誕生の裏側

今ではごく普通に売られている、最初からボロボロに破れたジーンズ
「ダメージジーンズ」や「ダメージデニム」と呼ばれ、定番のファッションアイテムとして親しまれています。

19世紀、鉱山労働者やカウボーイのワークウェアとして誕生したジーンズ。当時は頑丈さこそが最大の価値でした。

それを考えると、なぜ私たちは最初から破れているジーンズに魅力を感じ、一つの製品として誕生するに至ったのでしょうか。その背景には、時代ごとの音楽やユースカルチャーがファッションへと繋がっていく歴史がありました。
今回は、そんな「ダメージジーンズ誕生の裏側」に隠された豆知識をお届けします。

1 ■1960年代後半:ヒッピー文化とデニムリメイク

最初のきっかけは、1960年代後半のヒッピー文化(※1)に遡ります。当時、彼らを中心としたカウンターカルチャー(※2)の中では、既成社会や物質主義(※3)への違和感が広がっていました。

その感覚は服装にも表れ、中でもデニムは労働者的な背景や天然素材ならではの気取らなさ、そしてタフで扱いやすい性質が、彼らの価値観と重なりやすい存在でした。

・ベルボトムのシルエット
・刺繍やパッチワークによる装飾
・穿き込まれた色落ち

大量生産された服をそのまま着るのではなく、自分らしく変えていくこと。
それが、既成社会や物質主義的な価値観への抵抗の表現でした。

※1 ヒッピー:1960年代後半のアメリカで、古い社会のルールに縛られず、自由な生き方を求めた若者たち。
※2 カウンターカルチャー(対抗文化):それまでの当たり前や親世代の価値観に反対し、新しい文化や表現を生み出そうとした動き。
※3 物質主義:お金や物を多く持つことを、豊かさや成功の基準とする考え方。

1969年のウッドストック近くで車の上に座る若者たち
📷 1960年代のヒッピー文化を象徴する音楽フェスに集まった若者たち。

出典:Wikimedia Commons, “Woodstock-kids.jpg”, CC BY 3.0

2■ 1970年代:パンクと意図的な破り

1970年代半ばのパンクシーンでは、服の破れや切り裂きをあえて見せるスタイルへと変化します。

[パンクのスタイルを印象づけたリチャード・ヘル]

その象徴的な存在として挙げられるのがニューヨーク・パンクのリチャード・ヘルです。彼はTシャツを破き、その裂け目を安全ピンで留めた姿でステージに立ち、大きな衝撃を与えたのです。この過激な着こなしが、パンクの反抗的なイメージを印象づけました。

[ショップ「SEX」が形にしたパンクファッション]

このスタイルに影響を受けたのが、ロンドンのデザイナーであるマルコム・マクラーレンです。彼はヴィヴィアン・ウエストウッドとともに、ロンドンのキングス・ロードにあったショップ「SEX」で、破れや切り裂き、安全ピン、挑発的なグラフィックを取り入れた服を展開しました。

ニューヨーク・パンクで生まれた反抗的なスタイルは、このショップ「SEX」などを通じて、ロンドンでより明確なパンクファッションへと形づくられていきました。

1970年代のリチャード・ヘルとバンドメンバー
📷 1970年代パンクを象徴するリチャード・ヘルとバンドメンバー。

出典:The Arts Desk, “Music Reissues Weekly: Blank Generation, Just Want To Be Myself”

3■ 1980年代以降:加工の進化と日常への広がり

1980年代から90年代にかけて、穿き込んだような色落ちやダメージのあるジーンズが、日常のファッションへと広がっていきます。

[1980年代:ストーンウォッシュの普及]

1980年代に入ると、新品のジーンズにあらかじめ穿き込んだような表情を与える「ストーンウォッシュ」や「アシッドウォッシュ」といった加工が普及します。

この古着のような色落ちやムラ感は、デザイナーズジーンズのブームと重なり、ジーンズのファッション性を高めました。さらに80年代後半には、マドンナなどのトップスターも破れや色落ちのあるジーンズを着用し、ダメージをスタイルとして楽しむ流れが広がっていったのです。

[1990年代:カート・コバーンとグランジの流行]

そして1990年代初頭、この流れを大きく後押ししたのが、ロックバンド「ニルヴァーナ」のカート・コバーンに象徴されるグランジ・ファッションです。
「グランジ」とは、汚れた、薄汚いといったニュアンスを持つ言葉。
着古したネルシャツに、破れたジーンズ、履き込まれたスニーカー。そんな古着のようなラフなスタイルが、若者の間で流行しました。

[2000年代以降:ダメージジーンズの定番化]

若者の間にこのスタイルが広がる中で、ダメージジーンズは定番アイテムとして定着。
やがてその空気はファッション業界にも取り込まれ、ファストファッションからハイブランドまで幅広いブランドで見られるようになりました。
こうして2000年代以降、最初から破れやほつれを加工したジーンズが、当たり前のように店頭に並ぶ現代の風景へとつながっていったのです。

1992年のライブで演奏するNirvana
📷 グランジを象徴するニルヴァーナの1992年ライブ。

出典:Wikimedia Commons, “Nirvana around 1992.jpg”, CC BY-SA 2.0

4■ 現代:RRLのダメージジーンズと職人のこだわり

こうした歴史を経て、ダメージは「ただの傷み」から「スタイルを作る表情」へと変わっていきました。

その表情を徹底的に作り込んでいるブランドのひとつがRRL(Double RL)です。

RRLの凄さは、最大50工程を費やす手作業への執念にあります。職人が日本製の最高級セルビッジ生地を使い、長年穿き込まれたような色落ちやダメージを1本ずつ再現。そのこだわりは、もはや芸術品です。

本来なら価値が下がるはずの傷みを魅力に変えてしまう、ジーンズの面白さ。
その深い歴史の延長線上にある特別な1本を、ぜひReggieShopの店頭やオンラインショップで体感してみてください。

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