Reggieの勝手に豆知識|ジーンズの小さいポケットの名前は?コインポケットの歴史

Reggieの勝手に豆知識|ジーンズの小さいポケットの名前は?コインポケットの歴史

ジーンズの右前についている、小さなポケット。
今は「コインポケット」という名前がお馴染みですが、もともとは懐中時計を入れる「ウォッチポケット」だったことは意外と知られていません。
1873年、Levi’s(リーバイス)のリベット補強パンツ、いわゆるジーンズの原型が登場してから、およそ150年。
Levi’sの歴史を手がかりに、あのポケットの正体と呼び名の変化を紐解きます。

Levi’sジーンズの右前にある小さなコインポケットと銅製リベット

【小さいポケットの正体と名前の由来】

・始まりはアメリカ西部の「ウォッチポケット」

原点は、1870年代のアメリカ西部。
ゴールドラッシュ以降、鉱山労働者やカウボーイなど、過酷な環境で働く人々には、丈夫なワークパンツが求められていました。
1873年、Levi’sのリベット補強パンツ(ジーンズの原型)が登場した当時、時間を確認する道具といえば懐中時計でした。その大切な時計を収めるために作られたのが、右前のウォッチポケット
激しい労働で破れないよう、ポケットの端は銅製リベットで頑丈に補強されていました。

・第一次世界大戦と、腕時計の普及

では、なぜ懐中時計を入れなくなったのか。その転機のひとつが「第一次世界大戦」です。
作戦のタイミングを合わせる戦場では、ポケットから時計を取り出すより、腕元で確認できる腕時計の方が実用的でした。
戦後、腕時計は日常にも普及し、懐中時計の習慣が薄れるとともに、ウォッチポケットも本来の役割を終えていきます。

【時代ごとの暮らしが映る、6つの呼び名】

時計を入れなくなっても、この小さなポケットは残り続けました。
ジーンズがワークウェアから日常着、そしてカルチャーへと変化する中で、使われ方に応じたさまざまな呼び名が残されています。

・ウォッチポケット(Watch Pocket)
懐中時計を入れるための本来の呼び名。今もデニムの歴史を語る文脈で使われる名称。

・フロンティアポケット(Frontier Pocket)
アメリカ西部の「開拓地」を意味する、ジーンズのルーツを感じさせる名前。

・マッチポケット(Match Pocket)
喫煙が身近だった時代、マッチなどの火つけ道具を入れた場所。

・チケットポケット(Ticket Pocket)
移動や娯楽が広がり、切符や映画の半券を収めた場所。

・コインポケット(Coin Pocket)
小銭や小物を入れる場所として定着した、現在もっとも一般的な呼び方。

・コンドームポケット(Condom Pocket)
1994年のLevi’sのCM “Drugstore”(コンドームを忍ばせる描写)で描かれた使い方。HIV/AIDS流行下のセーフセックス意識など、90年代の社会背景とユーモアが詰まった呼び方。

【トリビア:5ポケット 本当の5番目はどこ?】

ジーンズの定番仕様として知られる「5ポケット」
左右の前後に4つ、そして例の小さなポケットを合わせた形です。

ここに、ちょっと面白い歴史の逆転劇があります。
いかにも“5つ目”に見えるあの小さなポケット。実は最初から存在していました。

・1873年当時は4ポケットだった

1873年当時のLevi’sは、前ポケット2つ、小さなウォッチポケット、そして右後ろのポケット1つの「計4ポケット」。

・1901年に左後ろポケットが加わった

その後、1901年に「左後ろのポケット」が加わり、現在おなじみの5ポケット仕様になったのです。
つまり、本当の“5番目”は左後ろ。

【コインポケットのこれから】

キャッシュレスの選択肢が増え、小銭を出す機会が少しずつ減ってきた今。あのポケットは何と呼ばれるようになるのでしょうか。
未来には、AIデバイスポケットなんて呼ばれているかもしれません。
どれだけ時代が変わっても、この小さなポケットは、その時の暮らしに合わせた「小さなモノ」の定位置であり続けるはずです。

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